吉田さらさのイベントとお知らせ

寺と神社の旅研究家、吉田さらさの新刊、雑誌記事、講座、ツアー、イベントなどの情報です。

談山神社と嘉吉祭


10月はしばらく奈良に滞在し、神社めぐりをしていました。
大神神社のご神体山、三輪山の登頂に成功したこと。談山神社の珍しいお祭「嘉吉祭」に参加できたこと。
楽しいことや新発見がいっぱいの旅でした。
上の写真は、嘉吉祭のお供えの一つ。お米に色をつけ、ぎっしり積んで、このような形にします。

作るのは村の人々。皆さん、子供のころからお供え作りをしてきたそうで、神社の集会所に集まって、このような細かい作業を何時間もなさいます。

出来上がったお供えは、お祭本番の日に、このように神前に並べます。

嘉吉祭は、談山神社主祭神である藤原鎌足さんの像が、南北朝の混乱期に一時他の場所に遷され、再びこちらに戻ったときから行われている祭で、これらのお供えは、お帰りになった鎌足さんをもてなすためのものです。

談山神社は、もともとは寺でもあり、その場合のご本尊も藤原鎌足さんです。これは、お寺としては異例のことです。(お寺は、ほとんどの場合、何らかの仏様がご本尊ですから)

境内には珍しい木造の十三重塔がありますが、これも異例。普通お寺の塔には、お釈迦様のお骨が収められるものですが、この塔には、鎌足さんが祀られています。いわばこの塔は、鎌足さんのお墓なのです。

鎌足さんは神様となっても力強く、また、ある面では「たたる神」でもあります。談山神社がある多武峰は大和の南限で、鎌足さんは、そこにある山の上から大和を見下ろし、何かあると怒りを爆発させると考えられていました。

談山神社の境内から「御破裂山」という山に登れます。そこにも鎌足さんのお墓があり、国家に問題があると山が鳴動する(破裂する)と言われているそうな。鎌足さんは、問題だらけの今の日本について、どのようにお考えなのでしょうか。


吉田さらさの公式サイトはこちら。

http://home.c01.itscom.net/sarasa/

お仕事のご用命、ご意見、ご希望などは、こちらに連絡先があります。